AHF総選挙 TEAM A
[アオシマ文化教材社]
バンダイがほぼスケールモデルを出していない今となっては、キャラ物やフィギュアも含めて全ジャンルを出している模型メーカーは、アオシマだけと言っても良いでしょう。その反面、このジャンルならアオシマが一番という看板が無いのも事実ですが、昔の印象から「変な物を出すメーカー」という記憶を持つ人もいるかも知れません。
車、バイクときたら、若者受けするアイテムとして、オーディオのプラモデルまで発売した事もある。他にも「チョロQ」ブームに便乗して、寿司をゼンマイで走らす「寿司Q」というアイテムを発売。上手く完成させれば食品サンプルまんまなだけに、今なら外国人観光客に爆発的に売れそうな気もします。
ともあれアオシマの企業史にも「ブームの度に業績を伸ばし〜」と確りと書かれているので、それなりに売れたのでしょう。と、これだけなら半ば笑い話しになってしまいますが、そう言ったフットワークの軽さもアオシマの魅力でもあります。
また、模型誌では、ほぼ扱われる事はありませんが、トラックの専門誌では20年以上もデコトラの模型コーナーが続いており、普通のモデラーが知らないところで、コアなファンに支えられています。
よくアオシマの悪口としてダメシマと言われる事もありますが、別にアオシマに限った事ではなく、昔は、どこのメーカーも似たようなものでしたし、アオシマだけが変な物のプラモデルを出していた訳でもありません。
もっとも、そう言ったメーカーは自然淘汰されてしまい、残っているのはアオシマと、少々意趣変えしましたがアリイ、…くらいですかね?
現在は、静岡3社のウォーターライン・シリーズでは、最も意欲的に新製品を投入し、実質的にシリーズを牽引しています。また、自動車も、ある意味では看板のデコトラに限らず、なかなか良い新製品を出しています。かと思えば、何処に需要があるのかといった感じの商品を出すなど、相変わらずのらしさも健在なのが嬉しいですね。
Ta 152
製作・松本の幹事長
90年代に「真・大戦機シリーズ」の名前でリリースされたアイテムで、「紫電」「Ta 152」「五式戦」3アイテム出た後は、パッタリと出なくなりましたが、2015年になって本当に久々に「紫電改」が加わりました。(「五式戦のみ13年にリニューアルされています)
ちなみにアオシマも昔は「零戦」など、メジャーな飛行機も出していましたが、他社とバッティングすると言う理由で、敢えてメジャーは避けて、「五式戦」など、他社が出していないアイテムを積極的にリリースする路線に変更しています。
さて、「真・大戦機シリーズ」って名前を付けているのなら、「真」でない「大戦機シリーズ」って、何? と思うでしょう。
前述のように昔(日本のプラモデルの黎明期)に、アオシマは「1/72大戦機シリース」の名前で飛行機モデルを出していました。
ちなみにラインナップは、「零戦21型」は良いとしても、「瑞雲」「晴嵐」「紫雲」「五式戦」「彩雲」「烈風」いう、随分とマニアックなものになっています。(自分もモデルアートで知りましたが…)
移動販売 No.09 静岡おでん
製作・こうてい
ある意味アオシマらしい、一品です。これに限らずデコトラや族車もそうですが、何処でリサーチしたのか?と言う疑問が出ます。
このシリーズは10アイテム出ていますが、その中に静岡おでん、富士宮焼きそば、といったものが入っており、静岡県の模型メーカーである事を生かしています。
シリーズの構成としては、「風物詩シリーズ(河井商会)」と同じで、基本は1つのキットで、荷台の販売部分だけ変えて、複数の商品を出しています。
軽トラによる食品の移動販売その物は見掛けますので、強ちすべてウソと言う訳でもないですし、こうしたアバウトな商品というのも、昭和の香りがして好感が持てます。
航空母艦 天城
製作・King of MIZONOKUCHI
ウォーターライン・シリーズで、既出の旧金型を積極的に新金型へと置き換えているアオシマですが、「雲龍型」3隻も例に漏れず出ました。旧金型の時は「雲龍」と「葛城」が出てから、かなり経ってからポツンと「天城」が出たので、「天城」の旧キットを知らないと言う人も居るかも知れません。
最近のアオシマの製品は、とにかく組み易いのが特徴です。考証面でも確りとしており、非の打ちどころがない秀作キット、との呼び声も高いのですが、「天城」に関しては第3機銃郡の解釈に疑問が残りますが、それ以外は確かに文句のつけようがありません。
The homepage that this ITEM is collected.
紫電11型甲
制作・kikeido
こちらも前述の「Ta 152」と同じく「真・大戦機シリーズ」で、90年代にリリースされて以来、リテイクされていません。
初出は古いながらも幅広いラインナップを誇るハセガワの1/72、イタレリのOEMで低価格でのリリースを展開しているタミヤに比べて、やはり「真・大戦機シリーズ」は、すべての面で苦しいと言えるでしょう。
いっそ、とことんマイナー路線に走って、突き抜けて欲しいと思ってます。
ギラン・ドウ
制作・King of MIZONOKUCHI
バンダイにガンプラがあるなら、アオシマには「伝説巨神イデオン」の重機動メカがある!
ネット通販では恐ろしい価格で売られていますが…。
元々「機動戦士ガンダム」のプラモデルは、主人公メカの合体というギミックから、最初のオファーはアオシマに行ったらしいです。ただ、放送の打ち切りが決まっていた事から、アオシマが手を出さず、結果としてバンダイに行った、…らしいです。
この話しが本当か嘘かは分かりませんが、その後の爆発的なブームと売り上げを考えると、逃がした魚は本当に大きかったと思います。
ただ、おかげでアオシマらしさ、という点では、更に箔がついたと思います。
ちなみに「合体」はアオシマと登録商標です。また、最近では製品を出すのに先駆けて「痛車」も、商品登録しています。法的な事に関しては確りしている、と言うのも意外です。
FD3S
製作・King of MIZONOKUCHI
※使用キット・アオシマ 痛車No.14 ラブプラスRX-7 FD3S'98
業界で初めて「痛車」のプラモを発売したのも、アオシマです。本当に久々に模型屋の店頭から入荷と同時に商品が消える、という事象が起きました。しかもガンプラなどのキャラ物ではなく、基本的にはスケール物な訳ですから、驚くほかありません。
車に関しては豊富なラインナップを誇るフジミも、直ぐに同じコンセプトの商品を投入してきました。まぁ、既存の車キットにデカールを付けるだけですから、商品展開は版権さえ取れれば、楽でしょう。
ただ、先にも書きましたが、アオシマがいち早く「痛車」という言葉を商標登録してしまったので、後手に回ってしまったフジミは、一般的に認知されている「痛車」という単語が使えませんでした。
では、アオシマとフジミ、どちらが良いのか? ラッピングの好き嫌いを抜きで考えると、ベースとなっている車キットの中身、価格で考えるなら、アオシマの方がお得です。ただし、アオシマの方は普通に車として作るのに必要なデカールも、痛デカールと一緒にプリントされており、単体での注文は出来ません。
一方でフジミの方は、本当に既存のインチアップ・シリーズなどのキットに、痛デカールを同封しているだけなので、痛デカールだけ売って、普通に車として作るのには適しています。この辺りは「キャラ・de・CAR〜る!!」の商品構成が、車のキット部分はフジミ、デカールはコトブキヤが、それぞれ担当している事に由来するのかも知れません。
そもそも、そう言う作り方をするなら、痛車のキットを買う意味はあるのか、と言う事になりますが…。
けいおん! 痛トラック
製作・King of MIZONOKUCHI
※荷台とシャーシのズレは気にしないで下さい。両面テープが取れ掛かっているだけです。写真は撮りなおしたのですが、期日後でしたので、コンペの方は、そのまま載せておきます。
デコトラ(アートトラック)+痛車、アオシマらしい商品を二つ合わせたアイテム、と言えるでしょう。付属のデカールの面積はキットに比例して大きいのですが、余剰と言うか、作り手の裁量で使用できるデカールは少なく、基本的には、この仕様でしか作れません。
ちなみに余剰デカールの多くは、ゲーセンのプライズ品になったアオシマの1/32の「けいおん!」の痛車シリーズの画で、サイズも小さいので、使い道がまったくありません。あと、キットの方も余剰パーツが多いのですが、1/32のトラックを作らない人にとっては、これまた使い道がありません…。