敷設艦 津軽

日本海軍敷設艦 津軽-1941-
1/700
フジミ
製作・King of MIZONOKUCHI

 

 

 

 以前にヤフオクで5点セットの物を落札した、その中の一つです。ただ「津軽」が欲しかった訳ではなかったので、入札する時も(自分の中での)設定は500円相当として、計算しました。
 結果的に入札金額まで上昇しなかったので、取得価格は下がりました。入手経緯はともかく、買った以上は作って、完成させる。その矜持だけです。

 さて、キットの方はと言いますと、近年のフジミの艦船模型と言いますと、超絶的なディティールを誇る傑作キットも多いですが、すべてがそうと言う訳ではありません。
 もし、玉石混交で表現するのであれば、少なくとも「津軽」は玉とは呼べないでしょう。

 船体は、近年主流となっている左右分割で、これは普通なのですが、艦底のパーツは下に貼り合わせるのではなく、左右の内側にはめ込む感じで取り付けますので、分り辛いうえに合いが悪いです。
 船の下側ですから、完成後は、ほとんど見えませんが、気にはなります。艦尾の形状が特殊ですから、そう言う分割になるのは仕方ないとしても、パーツの合いは別問題です。

 バラストの固定、船体の補強と歪み防止を兼ねて、左右の間に挟むパーツですが、これが船体の幅よりかも広く、取り付ける事が出来ません。(B6・B8)
 結局は、現物合わせで、ヤスリで削って調整しながら、使う事になります。雑な設計と言うか、とても21世紀に発売されたキットとは思えない、お粗末なパーツです。

 艦橋の正面ですが、窓のモールドの凹と凸が、逆になっています。そのまま作って、塗ってしまうと、窓の開口部と窓枠が逆な訳ですから、鎧戸みたく、ほとんど閉じている窓になります。

  

 

 そう手間ではないですから、ここは伸ばしランナーで作り直しました。左右は、そのままでも問題ありませんが、整合性が取れませんので、ついでに作り直しました。
 やっぱり艦橋の窓越しに、向こうが見えると、気持ちいいですし。

 船首は、そのままですとフラットで、菊花紋章取付板がありません。最初は、特に「津軽」への拘りもないので無視していましたが、落下による破損を修繕する際に、合わせて修正しました。
 最初からやっておけば、もっと楽かつ上手く出来たでしょうが、手摺を取付た後からなので、この辺りが限度でしたが、無いよりかはマシだと思います。

 スキッドビームは、エッチングパーツとして、標準で付属します。このうち前の物は、まったく問題ありませんが、後ろの物は、キットにモールドされた取付位置に収めると上が合わず、上を合わせると下がおかしくなります。
 雑誌の作例を見た時は、取付位置が合ってないじゃん!と思っていましたが、そうではなくパーツの方に、問題があったと、自分で作ってみて初めて分かりました。
 下の取付位置のモールドは、覗き込まない限りは見えませんから、上で合わせるのが正解だと思います。

 と、色々と文句を書きましたが、問題なのは、上記の4箇所程度で、後は近年のキットらしい仕上りです。(ただ、詳しく考証していませんから、あくまで模型を説明図通りに作る上での、問題点です)

 良い点も挙げるとすれば、付属してくる零式水上偵察機、これの出来は絶品で、別売りして欲しいです。

 後は、同型艦で別キットの「沖島」のパーツ、別バージョンの「津軽 1944」の一部パーツも入っていますので、余剰パーツの旨味も、そこそこあります。

  

  

 

 先にも書きましたが「津軽」に拘りは、まったくありませんから、大した事はしていませんし、そもそも仔細な考証もしていません。
 後になって「沖島」を上空から撮った写真を見て、ラッタルの位置が違う事に気付きましたが、正しい位置ですとパーツが干渉が微妙で、取付られない可能性もありましたから、間違いは間違いでも、間違えて良かったかな? とは思いました。

 そんな訳ですから、ガッツリやったとは言えませんが、かと言ってサラッと流すと、満足感も今一つですので、その中間くらいを目指しました。

 主な変更点は、前述しました艦橋の窓枠の作り直し、菊花紋章取付板の追加、以外ですと、余剰パーツからホーサーリールなどを追加、旗竿を金属線に置き換え、煙突のモールドの復旧と補助管(?)の追加、外周のみ手摺を追加、などになります。
 100均のケースのサイズから、停泊中と言う設定にしたので、左側は錨を下した状態にしてありますから、アンカーチェーンを金属線で製作。
 ラッタルは、ファインモールドの手摺のエッチングパーツに付属しているオマケで、どう考えてもこの先使い道が無さそうなので、今回使いました。
 カタパルトも、数に余裕がある「呉式二号五型」なので、これもエッチングパーツに置き換えました。

 それに入手経緯はともかく、「津軽」を作るのは、これが最初で最後、一生に一回だけでしょうから、その一回くらいは、これくらいは作ってやろう、と言うのもありました。まぁ、余剰品の処分と言えなくもないですが…。 

 

  

 目で見た時は、そうでもなかったのですが、写真に撮って拡大されますと、手摺が、結構曲がっていたり、歪んでいたりするのが、分りますね…。

 年間に一個とか、そう言うペースならともかく、そこそこの手間と時間で、ほどほどの完成品、と言う点で見たら、まずまずの出来だと思っています。


 艦橋に不必要な穴まで開口してしまった事に、塗装を終えてから気付いたので、ごまかす為に機銃を配置してある事は、見逃して下さい。(「津軽 1944」用のダボで、「1941」では開口しません)

 同じ敷設艦でしたら「初鷹」、あの素晴らしいまでのゴチャゴチャ感が、好きです。ちなみにケースは「陽炎」と同じ物を使用していますから、大きさも、想像し易いと思います。

 

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