イギリス海軍 戦艦 ネルソン

戦艦ネルソン
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タミヤ

作・松本の幹事長

 

 昨今のスケール物の価格が高騰は、家庭を持つパパモデラーにとっては辛い状況です。自分等の世代にとっては「駆逐艦は250円、巡洋艦が500円」って感じですから、社会人になって使える金は小学生当時の数倍になりましたが、割高感は否めません。

 まぁ、高くなったのは艦船模型だけではありませんが、何れにしましても財布に優しくはありません。そんな中で松本の幹事長が目をつけたのが、不人気が故にリニューアルもされず、再販売時でも、ほぼ価格据え置きの外国船でした。

 比較的人気のあるビスマルク以外は、ほとんど発売当時のままで、価格もだいたい1,000円くらいと、お得感はあります。確かに、ここ最近の新製品と比べる由もありませんが、わりと素性は良いですし、意外と侮れないところもあります。
 ただ、魅力的か?、欲しいかの?、買いたいと思うか?、と言うのは、また別の問題です。某社の直営店でも、WLシリーズの外国艦は、「如何にも長年置かれた店頭在庫です」と言った感じで、やや日焼けして褪色した箱が、棚の下の方に置かれていました。

 何故、ビスマルク以外の外国艦は人気が無いのか? 

 単に敵、味方と言う視点で見るのであれば、同じ枢軸国であっても、イタリアの艦船は、WLシリーズでは製品化されていません。それにドイツにしてもキットはありますが、お世辞にも人気があるとは言えません。
 それに、何故、ビスマルクが、人気があるのか、それも不思議です。同型艦のテルピッツでは、何で、ダメなのか? 

 敵である連合国の兵器であっても、飛行機や戦車については、艦船ほどに不人気と言う感じはしませんし、キットも、それなりの種類と数が出ています。

 いったい、何が、そんなに嫌われるんですかねぇ〜。

 イギリスの戦艦には人名がつけられていますが、日本人にしてみれば、特に縁がある訳でもなく、単なる片仮名の名称にしか過ぎません。アメリカは、州の名前ですから、感覚としては日本の戦艦と同じです。と言う訳ですから、名前で嫌われている訳ではなさそうです。

 では、形状でしょうか?

 まぁ、ネルソンについて言うのであれば、何と言いますか、画期的ではあるけど、単にそれだけって感じの主砲の配置が、記憶には残る船ではあります。冷静に見れば、主砲が集中配置されていますから、散布界も狭い筈ですし、「長門」型よりかも1門多いですから、遠距離での砲撃戦には強そうな気もします。

 ただ、基本的には同じ使われ方をされる事を前提に、同じ設計思想で作られる訳ですから、多少の異端児はいるものの、極端に形状が違う訳でもありません。それに金剛はイギリスで作られていますし、扶桑型は、それを基に設計され、伊勢型はその焼き直しですから、日本の戦艦のうち8隻は、イギリスの設計がベースと言えます。

 そうなると日本の戦艦が人気なのは、独自の部分に秘密があるのでは?

 つまり外国の戦艦にはなくて、日本の戦艦にある、独特な要素とは、何か? 

 そうだ! パゴタマストだ!

 これは外国の戦艦にはなく、日本の戦艦特有の外観的な要素だ!!

 そうか、皆、パゴタマストが好きなんだ!!!

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 でも、そうなると竣工時の三脚や七脚のマスト時代は、嫌いと言う事になる。確かに、その時代の日本戦艦はキット化されていないので、何となく理屈付けが出来なくもないけど…。しかし、この「パゴタマスト・ラブ」理論、最大の弱点は、大和型は塔型艦橋だから、むしろ外国艦の方に近い外観な訳で、不人気でなければならない、と言う点が実証できないと言うか、矛盾している点です。

 まぁ、本当に好きなものは、好きな理由が分らない、とも言いますし、理屈じゃあないんですよ!

 もっとも嫌いな方も、これまた理屈じゃあないんですよね…。

 

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