睦月型駆逐艦 三日月

三日月
1/700
ハセガワ
製作・King of MIZONOKUCHI(2018年)

 

 同社から、新金型のキットが出ていませんから、初出は古いですが、旧キットと言うのは、何か違いますよね…。

 睦月型は、ピットロードからもキットが出ていますから、単純な優位性と言えば、価格が安いところだと思います。

 

 初出は古いですが、「本当に、70年代初頭のキットか?」と思うような、繊細で情報量の多いモールドなど、部分的には光るものがあります。

 しかし、一方では、「やっぱり昔のキットだよなぁ〜」と感じさせる箇所もあり、キット全体の評価としては、微妙なところです。

 

 キットの方は、普段使いと習作を兼ねて、ヤフオクで纏めて安く落とした物なので、そう強い拘りはありません。

 強いて言えば、睦月型に、神無月は存在しないので、10番艦の三日月を、神無月だと思って作る、と、いった程度です。

 

 修正の方も、既に完成している他の駆逐艦などと並べた時に違和感が無い様にするのが、主目的です。

 艦橋の窓を刳り貫いて、伸ばしランナーで、窓枠を再現。
 実際は、もう少し窓枠の数は多いのですが、スカスカの方が露天艦橋に近い、睦月型っぽい。
 と、いう理由で、かなり本数を減らしています。 

 煙突は、いつもの様にヒケを修正するついでに、ジャッキステーを、伸ばしランナーで再現。

 予備魚雷格納棺に、簡単なモールドを追加。(考証していません、雰囲気重視です)

 やはり70年代のキットですから、舷窓は、再現されていませんので、ピンバイスで開口。
 構造物なとの一部には、開口はされていませんが、逆の凸モールドで表現されている所も有りますので、目安と言うか、ガイドにはなります。

 船体は、マスキングテープを貼って、サフの厚吹きで、装甲の継目を簡易的に表現しました。
 縦方向を含めてやると、手間ですが、横方向のみで、駆逐艦1隻分でしたら、そう時間は掛りませんし、その割には効果的なので、最近は、標準的に取り入れています。

 後は、旗竿と探照灯を、それぞれ置き換えた程度、…だと、思います。

 

 

 

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製作記事

 今回は作るに当って、そう詳しく睦月型について、検証した訳ではありませんので、作った感想に近いものになります。

 先ず、このキットで目立つうえに、泣き所となるのが、主砲です。

 置き換えが出来るのなら、目立つだけに有効な箇所だと思いますが、それにはピットロードのアフターパーツが必要で、それなら最初からピットロードのキットを買えば良い、と言う事になってしまいます。

 余剰のXパーツの単装砲(潜水艦用のヤツ)をベースに、作り直しも考えましたが、手間と時間を考えると、「そこまでしなくても…」という、結論に達しました。 

 キットのパーツは、一体型で構成されています。
 金型から抜く都合上、下の窄まりも再現されておらず、これはヤスリで少し削って成形して、雰囲気だけでも、似せる様にはしました。

 もっとも、同時代のキットと比べて、著しく劣る出来でもありませんし、昔のキットだと分かっていれば、「こんなモンだよね」で済むレベルです。 

 ただ、二番主砲が煙突にぶつかる(オフィシャルの完成品写真は、砲を後ろに向けています)、魚雷発射管が、船体の構造物に当たるギリギリなど、やや疑問に感じる点も有ります。

 舷窓を開口する際には、キットの全長に合せた図面を貼って、それをガイドに開口したのですが(下写真)、どうも、船体の長さに対する、構造物の位置や大きさが、合っていない様です…。
 模型ですから、ディフォルメとオミットは、必ず存在しますから、それが設計と意図とも言えますが、だとしても微妙な気がします…。

 

 

 

 各種の搭載艇も、昔の水準なのは当然ですが、それなら置き換えれば良い、と、簡単には済みません…。

 このキットの取付位置にダビットを付けた場合、それに合うのは、このキットに付属しているパーツのみで、Xパーツに置き換える場合は、ダビットも合せて取り替える必要があります。
 そうなると、取付位置となる船体側も、これまた修正が必要になりますから、意外と手間になります。

 ある程度は目を瞑って、キットのパーツを使用するか、それとも置き換えるか、その辺りは作り手次第だと思いますが、自分は、前者を選択しました。