三式潜航輸送艇 ゆ1号艇

日本陸軍潜航輸送艇 ゆ1号艇
1/350
フジミ
製作・King of MIZONOKUCHI(2016年)

  まぁ、俺っちが、人よりほんの少しばかり昭和陸軍を贔屓にしているのは、認めます。それでも発売当時の2,600円(税別)という価格は、この内容の模型に支払う金額としては、躊躇われます。ましてや現在(2016年2月時点)の3,800円なんて、宝クジでも当たらなければ、買えませんよ…。
 と言う訳で、ヤフオクで落とした物です。それも本当は別の物が欲しくて、同じ出品者から落とせば同梱で送料が安く付きますから、「これくらいなら、いいや」と1,000円で落札しました。(送料無料の通販で購入しても、流石にこれよりかは高いです)

 

 で、中身の方は、一言で表現するなら「富豪のメカコレ」。

 大きさといい、パーツ数といい、ディティールといい、まさにメカコレと良い勝負です。…但し、価格の方は数倍しますが。

 入手価格はともかく、販売価格は1/700の戦艦や空母よりかも高いキットですし、曲りなりにも1/350スケールなので、多少は手数を掛けました。

 

 

 先ず、セイルと船体に凸モールドをつけて、装甲板の繋ぎ目を表現。なにしろ資料らしい資料もないので、雰囲気重視です。

 後は、分る範囲で船体の穴。これが何の穴なのか、それとも窓なのかは分りませんが、とにかく開けました。

 さて、まるゆも船ですから、何処かに錨がある筈なのですが、キットにはパーツも入っていません。錨は、余剰の1/700パーツを使えば済みますが、問題は何処に付いているのか?
 ボックスアートには通常の船と同じく、両舷の前方に付いていますが、まるゆ1号艇の写真を見る限りでは、その位置に錨はありません。
 わずかに船首先端にベルマウスらしき物が見えますし、錨鎖巻取り用と思われる突起も1つしか写っていないので、多分、1号艇は船首に錨が1つなんだろうと判断。
 船首にベルマウスを追加しました。

 塗装の方では、木甲板部分は航空母艦の飛行甲板と同じように、細切りにしたマスキングテープをランダムに貼って、塗装しました。
 ただ、1色目と2色目、3色目と4色目の違いが小さく、4色使ったわりには2色にしか見えず、しかもマスキングの散らし方が悪く、狙ったようには行きませんでした。 

 結局は、家具補修用のペンでリタッチしましたが、これも間違って濃い色を使ってしまうなど、おおよそ苦労が報われない結果になりました。

 

 でもね、まだ、その後にオチがあったんですよ…。

 いつもエッチングパーツを扱う時は、マスキングテープの切れ端をタグとして着けておきます。切り出し時の飛散防止にもなりますし、もし紛失してもマスキングテープの黄色が目立つので、発見するのも楽です。
 実際、「天城」では、あれだけのエッチングパーツを扱いながらも、1つも紛失しませんでした。

 今回、船尾の潜舵ガードのパーツを切り出す時、これで最後の一つだし、この大きさのパーツなら、と思いタグを着けませんでした。そこに一瞬の隙が生まれたんでしょうね…。見事に切り出した時に弾いてしまいました。
 一応、捜索はしましたが、見つかる筈もありません。神懸り的な奇跡が起きれば、後日、発見出来るかも知れませんが…。

「家に帰って、ただいまを言うまでが、遠足」「土俵際で勝ったと思ったら、負け」などと言いますが、まさに、それですね。失くした物を後悔しても仕方ないので、いい勉強になりました、と思うしかないでしょう。 

 初回版なので透明パーツの船体、そしてランナーもゆ1001号艇と共用なのか、セイルやスクリューはもう1隻分入っていますので、一部のパーツを自作すけば、ゆ1001号艇も作れます。

 ですが、納得も、満足もしていませんが、これは、これで終わりとします。昭和陸軍が造った潜水艦という以外、別にこれと言う魅力もありません。数が捌けない物が割高になるのは分りますが、このキットに値段を付けるとしたら、エッチングパーツを抜いて1,000円〜1,500円くらいが、妥当だと思います。

 

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後日談

 エッチングパーツを紛失してから15日が経過した3月14日、もう諦めてかけていたのですが、何と、本当に奇跡が起きました! もう、ここ数年とこの先数年分の遺失物に関する運をすべて使ったのかも知れませんが、破損はおろか、曲がることもなく、完全な状態で発見されました。

 世間が「艦これ」ブームに沸いて、何かと海軍が贔屓にされている中、一貫して陸軍贔屓にしている俺っちに、多分、昭和陸軍の神様が見方してくれたんだ! と思いました。

 …まぁ、「あきつ丸」がインジェクション・キットで発売される事自体が、「艦これ」ブームの恩恵とも言えますが、それは、それ。

 

 

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