重巡洋艦 足柄

足柄
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ハセガワ
製作・King of MIZONOKUCHI

 

 

足柄製作の備忘録 第一話 初めまして、足柄さん

 そもそも14年4月に出ていますから、「初めまして」ではありませんが、その辺りは題名から察して下さい。
 そして察する事が出来ましたら、その時点で以降の題名がすべて先読みできるかと思います。
(左写真は14年4月頃、手前が「伊勢」、奥が「足柄」です)

 ともあれ、振り返ってみますと、何とも時間を無駄にした気がします。あれこれ色々と手を着けてはみましたが、どれも今一つ気が乗らずに、製作開始と中断の繰り返しでした。
 そんな中で、どうにか手が動き出したのが、14年の夏以降中断が続いていました「足柄」です。
(「掲示板」への書き込みは、16年7月)

 

 既に先の時点で船体の矯正など(左下・写真2枚目 手前は「高雄」、奥が「足柄」)、時間が掛かる点は終えていましたが、肝心の「第二次改装後」と「最終時」、どちらの仕様で作るかについては、決定を先送りしたままでした。
(そもそも、この選択が、中断の原因の一つです)

 今回のキットはハセガワの物ですが、大きな特徴で言えばフジミの物も同じで、「妙高」を基本にしつつ、一部パーツの入替で、同型艦の差異を出しています。
 また、「第二次改装後」と「最終時」が選択できるのも、両者ともに同じです。

 フジミの方は手元に「妙高」しかないので仔細は分りませんが、キット毎の差異については、概ねハセガワと同じかと思います。

 主砲、クレーン、後部マストなどは各艦での違いをフォローしていますが、艦橋や煙突などはスルーされています。
 その他、細かな点を挙げていくと切がありませんので、その辺りは、もっと詳しく考証している方のHPなどを見て下さい。

 

 

 さて、第二次改装後と最終時、どちらにするか? ですが、熟慮の結果、第二次改装後の方にしました。

 最大の理由としましては、最終時となると、第二次改装後に比べて、合計36基の25o単装機銃が増設されているから、です! 

 パーツその物はジャンクやストックで何とかなりますが、36基中30基までは配備場所が分ったのですが、残り6基が不明である事。

 他にも選択時に考慮した点としましては、航空機作業甲板の変更(これは比較的楽ではありますが…)、13号電探の追加(プラパーツはともかく、エッチングだと結構いやです…)など、単純に言って第二次改装後の仕様で作った方が、楽。
 …だからです。

 そうは言いましても第二次改装後の仕様にしましても、無問題ではありませんが、あまり細かな点には拘らずに雰囲気と完成される事を重視という、いつものスタイルで行く事にしました。
 …そうでないとドツボに填りますし、考証派のドマニアではないので、手間と時間を考えて上で、ほどほどに修正する事にしました。

 

 

 これを格好良く理論付けするなら、「オッカムの剃刀」ってヤツですよ!

 写真が引きなので小さく分り難いですが、現在までの修正点としましては、

・艦橋付近
・第1缶室給気路カバーの形状の修正(足柄は三角形)
・艦橋右側中央付近の切り欠き
・エッチングパーツの窓枠を使用する為の加工(刳り貫いて中空に)
・天蓋の形状の修正(微妙にRがついています)

・煙突付近
・継目消しの時にモールドを消えるので、いっそ、纏めて全部作り直し
・煙突後ろの蒸気捨缶(?)が、足柄は2本なので、修正
・ファンネルキャップの作り直し

 と言ったところです。

 00年にリニューアルはされているので、流石に旧キットに比べれば格段の差ではありますが、「もう少し、頑張れなかったのかなぁ〜」と思う所もあります。

 それにパーツ合いも、絶賛するほど良い訳でもなく、嫌な箇所にバリが残っているなど、ちょっと残念な所が目につきます。

 

 

 

 

足柄製作の備忘録 第二話 紹介します、足柄さん

 前回に比べて細かい所の作業が続きましたので、外観としましては、そう進展しているようには見えませんが、地味には進んでいます。

 さて、前回より変更された点としましては、先ず艦橋前面の通風管兼空中線引込管ですが、これは妙高特有のもので、他の3艦にはありません。(正確には、那智は、やや小さい物が2本で、レイアウトも、ちょっと複雑。羽黒と足柄は、通風管は無し、空中線引込管のみ)

 ハセガワのキットは、妙高ベースなので、これが再現されていますので、撤去。正しい位置に、空中線引込管を新設しました。

 一方、フジミのキットでは、妙高に、この通風管兼空中線引込管がありません。また艦橋部分は、確か羽黒と共用になっていたと思いますが、足柄として作る分には、この部分はそのままで正しく、羽黒の方に修正が必要になります。(わずかな違いなので、拘らないのなら、そのままでも良いかも知れません)

 窓の数も、それぞれで微妙に異なりますので、大した手間にはなりませんから、気分の問題かも知れませんが、修正しておくと良いかと。

 他にも無い訳ではありませんが、こんな時に便利な言葉、「オッカムの剃刀」ですよ!

 なお、各部の伸ばしランナーが緑色なのは、先に作ったメカコレの物を使っているからです。

 わりと作例などでは、定番なのか、良く見掛けますファンネルキャップの作り直しですが、今回は重巡だけあってサイズ的にも楽そうなので、やってみました。

 まぁ、元からあるモールドが、あまりにアレ、と言うのもありますが…。

 

 

 やったと言いましても、刳り貫いて、VFFを張っただけです。

 VFFと聞いてもピンとこない人も多いかと思いますが、要するに家庭で一般的に多く使われています電気コードです。
 絶縁被覆を剥いで、解した物を使いました。材質は知りませんが、多分、通電性から言って銅が主成分かと思います。

 最終的には塗装を終えてみないと何とも言えませんが、ピットロードのキットみたく元々の彫刻が深ければ、(拘らないのなら)そのままでも良い気がしますが、今回の足柄は、繊細と言うよりかは脆弱な凸モールドでしたので、置換えの効果は、結果として高いかと思います。

 手間は、ほどほど。

 まぁ、必要性が無いのであれば、やらないで済ませたい気がします。

 あとは、各部にエッチングパーツの手摺を取り付けたところが、今回までの作業です。

 本来ならば構造物には、ピッチの細かい構造物用の手摺を使った方が良いのですが、使う物を統一した方がコストダウンが計れますので、基本的に甲板用を使っています。

 ついでに少し書いておきますと、だいたいのメーカーは甲板用と構造物用の2種類を出していますが、ファインモールドの物は、甲板用1枚の中に、ピッチの異なる2種類が入っています。
 ピッチの広い方を甲板、狭い方を構造物に使用すれば、使う量や比率にもよりますが、1回こっきりならば、ファインモールドの物が便利かつ、お勧めできます。

 
「陽炎」の時に使用しましたが、ピッチの広い方を大きな列で2列(細かく言えば6列)で、駆逐艦1隻の外周に取り付けても、余りましたので、1枚あれば重巡くらいなら賄えるかと思います。

 

 ファインモールドの製品の欠点を言えば、接着用のしろ部分が大きく箇所によっては使い辛い、差込と兼用の為に挿入用の部分をカットする必要がある、と言った点です。

 また、同じ甲板用でもハセガワの物は、他社の製品よりかもピッチが細かいので、間隔の狭い所に使用すると、便利かと思います。

 一方、一枚あたりの長さが他社の製品に比べて短いので、継ぎ足しの回数が増えて、面倒。と言う短所もあります。接着用のシロのについては、ファンモールドの物よりかも長さは短いので、使い勝手は、やや良いかとは思います。

 初回投資と言うか1回限りで見た価格、入手のし易さから言えば、ファインモールドかハセガワの製品が、無難かと思います。

 個人的な感想としましては、手摺に関して言えば、海外製品などに多い、3列の帯状のタイプが、使い易いです。(日本の艦船用でしたら、手摺2列に、下1列がのりしろ、と言うタイプ)

 

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