1/6 セーラーヴィーナス
素材はポリストーン(コールドキャスト製)で、精度はあまり良くないです。先ずパーツを見てみますと、足をはじめ大きなパーツについては、パーティングラインが削られています。
普通にパーティングラインを処理してあるなら有難いのですが、リューターで削ったか、カッターナイフの刃を立てて処理しのか、微妙な曲線が消えて平面になっています。
おそらく型ズレの段差を誤魔化す為だと思われ、足以外でも上半身や頭などは、明らかに処理した跡が見受けられます。幸いにしてセーラーヴィーナスの場合、繊細なモールドが該当箇所にないので修復は楽ですが、場合によっては致命的とも言えます。
前髪は型の破損、異物の混入、気泡など、全パーツの中でも一番程度が悪いです。また、全体的に型ズレから来る段差も多く、頭や右手などはかなり重症です。特に襟の部分は段差がはっきりと見えるので、サンプルとしては解り易いと思います。
パーツの合いに関しては、基本的に悪いです。オリジナルですら原型から型を取ってキャストに置換える時、収縮により多少サイズが変わってしまいますが、再複製品ともなると更に誤差が大きくなります。
再複製による収縮の変化と型ズレによってパーツの合い良い筈もなく、胴体とスカートの部分などは1o以上の隙間が出来ています。
細部は後回しにして、パーツの合いなどを修復、何とか立体物として態を成したのが左の写真です。【バストアップ写真】
元キットは「スタジオ猿」のイベント限定品ですが、最早、原型師の作風云々を言う問題ではなく、セーラーヴィーナスになってますと言った所。
ポリストーンと言う素材については、馴れてくれば何とかなるけど、リューター(モーターツール)は絶対必要!
1/6と言うスケールもあるけど、模型を作るのにインパクトドライバー(ハンマードリル)を使ったのは、これが初めて…。
確かにフルスクラッチよりかは楽かも知れないけれど、これをまともに修正して完成させるのには、かなりの労力と技量が必要でしょう。
その事を考えると、海賊版キットを購入して作り完成させるなら、非合法な物に手を出さずに、自分でフルスクラッチしたら、どうでしょうか? そうすれば版権さえ取れれば堂々と売る事だって出来るのに…。