T−72M1
T−72M1
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タミヤ
製作・King of MIZONOKUCHI
タミヤのT−72M1です。エッシーは早いだけでしたが、ドラゴンが充実したラインナップで旧ソ連戦車を出した後だけに、タミヤが、どう言うキットにするか? その辺りが注目していましたが、残念ながら決定版と言うほどでは、ありませんでした。
難点としましては、(他社のキットに比べれば良いが)タミヤにしては、ややパーツの合いに悪い。砲塔の分割も「何故、ここで?」と思う所ですし、段差も大きいです。サイドスカートも、タミヤ基準で見ると、やや見劣りします。
良い点としましては、各種マテリアルが同封されており、個別にディティールアップ・パーツを買い足す必要がない点。致命的な箇所はなく、重箱の隅を突っつかないのであれば、素性そのものは良好。と言った辺りです。
登場以来、四半世紀の長きに渡ってMBTの地位にあり、輸出型やライセンス生産された物など、おそらく現用戦車では、最もバリエーションが多いと思います。
タミヤがキット化したM1と呼ばれるタイプにしても、「確かにこの仕様もある」と言ったところです。資料を色々と調べた結果としては、(キット化の都合上省略されている箇所を除けば)、そのまま作っても間違いはありません。
キットの仕様でそのまま作る場合、省略されている箇所を再現するのが、ポイントになります。
先ず、スモークディスチャージャーの配管(配線)。これは、かなり省略されています。T−72の場合、基部に沿って配管がはしり、そこから各個に配線が伸びています。配管は、キット既存の物を生かしつつ、不足分は伸ばしランナーで追加。配線は、プラグコードを使用しました。
次に、フェンダー前部に、四角がありますが、ここには四つ、穴が開いていますが、キットでは省略されています。(仕様なのか、この箇所に四角いライトっぽい物を着けた車両もあります) これはピンバイスで開口すれば、終わりです。
砲塔基部左右に長方形の小さな板がありますが、ここには各2つ、合計4つリベットがあります。これも省略されていますので、追加してやります。
後は、各ライト類からのコードを追加、機銃の開口などをする程度で、概ね終わりです。
湾岸戦争での敗北を受けて、市場の評価も下がった為に、新たにT−90と言う名前にしましたが、基本的にはT−72を改良したものであり、初期型の軍採用が1973年である事を考えると、驚異的な長寿と言えるでしょう。
T−72を語る上で外せないのが、T−64の存在です。生産数も少なく、ソ連軍しか装備していなかったT−64は、失敗作との説もありますが、この説には説得力がありません。
他のページにも書いておりますが、T−72は、T−64の廉価版。という方が、正しいと思います。実際、ソ連軍にT−72が配備されたのは1973年からですが、2年後には、早くも初期輸出型が中東に姿を現しています。
ともあれT−55に続き、T−72と、ベストセラーを連発したウラル車両設計局は、間違いなく世界最大の戦車メーカーでしょう。
T−72だけ、ざっと16のバリエーションがあり、T−90まで含めると、更に種類は多くなります。全てコンプリートするのは、…不可能ですね。