T-26E3 パーシング
ドラゴン
1/35
T−26E3
製作・King of MIZONOKUCHI
ドラゴンのT−26E3(パーシング)です。T-26E3とM26の何処が違うかと言えば、基本的には同じです。タミヤでは特に区別する事なく、M26(T-26E3)として販売しています。
T−26E3は試作時の名称で、制式化された後はM26となりますが、前線ではM26E3と呼ばれていたりもします。
仕様の変更については、A10は取付けない(実車の写真でも付いていない)、C15の開口と小型化、C29、A30の小型化、車外装備品や荷物の追加、防水シートの追加、車台溶接跡の追加と言った所です。特にアクセサリーパーツの類は一切入っていないので、全て自作する事になります。
キットの方はデカールが米陸軍第9機甲師団第19戦車大隊B中隊の物しか入っておらず、半強制的にこの仕様にするしかありません。T−26E3で最もメジャーなのは、工場からラインオフしたばかりの40両の内、急遽欧州に送られた20両の半分を受取り、3月7日にレマーゲン鉄橋で戦った第9機甲師団でしょうから、当然とも言えます。
ちなみにターンバックルが付いていないのは、部品を失くした訳でもなく、付け忘れた訳でもありません。この時点でのT−26E3には、付いていないのが正しいのです。これは前線に配備されてから、荷物を色々置くと重さでフェンダーが下がり、履帯と接触する不都合が出た為の処置で、実車の写真でも付けていません。サーチライトの方も微妙なのですが、一応、付けておきました。
今回は意欲的に色々な素材を使ってみました。全てが功を奏した訳ではありませんが、お試しと言う意味では良い経験が出来たと思っています。
ベースの方は、100均でコルクボードなど色々と購入した中から、見栄えが良かった板を使ってみました。板は後から反ると判っていましたが、やはり反りました(致命的な程ではありませんが)。
パーシングを乗せてしまうと、余分なスペースがほとんど無いので、今回はシンプルに地面だけです。今回、面白いマテリアルとしては、粒状の苦土石灰を使いました。普通、アクリル系のプラカラーを石膏などに混ぜて着色しますが、苦土石灰は溶けると黄土色になりますし、溶け残った粒は小石の表現として使えます。
ちなみにベースは着色したプラカラーとパウダー以外は、全て100均で購入した物を使用しています。
普段は、ウェザリングをしないのですが、これは「ウェザリングは使用状況を考慮してする物なので、使用状況が判らない(=ベースが無い)場合は、しない」と言う信念によるもので、逆に言えばベースを付ける時はウェザリングを施します。
今回は、普段やらない分もまとめて、と言う訳ではありませんが、足回りの泥は増量サービス!
よくパーシングを語る上で「遅すぎた」と言われますが、開発の着手から完成までの期間は、標準的です。つまり着手自体が遅かったのであり、開発その物に特別時間が掛かった訳ではありません。
主砲のM3・90o砲ですが、実は装甲貫通力で言えば17ポンド砲に劣ります。それでも米軍の評価としては、対戦車攻撃力でM4A3E8の3.5倍、総合力でも3.05倍としています。価格の面では約1.2倍なので、コストパフォーマンスは上々です。
攻撃力と防御力に関しては満足の行く戦車でしたが、M4A3と同じエンジンを使用している為、速度と燃費の面では大きく劣ります(L=430m)。また、試作の時点で実戦に配備された為、細かな不都合も色々と発覚しました。
M26が本当に活躍したのは朝鮮戦争で、T−34/85に対して圧倒的な戦績を残しています。
尚、お手軽にバリエーションを楽しむのであれば、M48の主砲をM26に付けるだけで、M26A1となります。