KV−1 1940年型 エクラナミ
KV-1's エクラナミ
1/35
トランペッター
製作・松本の幹事長(2016年)
ここは、じっくりと腰を据えて、KV重戦車について、話し合いましょう。
この増加装甲が着いたタイプと言うと、モデラーにしてみたら、タミヤが出した「KV−1B」を想像するでしょうから、先ずは、そこからです。
KV−1Bと言う名称ですが、ドイツ側が分類の為に勝手につけた形式(呼び名)で、増加装甲をつけたタイプを指します。これに対してAは、溶接砲塔は全てAに分類されますので、自国の戦車はやたらと細かく形式分類しているドイツ人とは思えない、かなり大雑把な括り方です。
ここで話しをややこしくするのが、ロシア語のアルファベット表記です。製品名の「KV−1’s」ですが、ロシア語の「KB−1c」を、英語表記に置き換えたもので、表記としては正しいです。「KV−1S」(KB-1C)と紛らわしい気もしますが、そもそも旧ソ連が、そういう形式を振り降ったので、仕方ありません。
制式な形式ではありませんが、むしろ「Ehkranami」の頭文字をとって、「KV−1E」とした方が、通りが良いかとは思います。しかし、Ehkranamiとは単純に言えば「増加装甲付き」と言う意味なので、中身が何年製のどの形式でも、増加装甲が付いたら、エクラナミなんです。ドイツにしてみたら、今度は、すべてKV−1Bって事です。
さて、このキットですが「KV−1 1940年型」に、増加装甲をボルト止めした、「KV−1s」です。
って、当り前じゃん! と、思うかも知れませんが、資料によっては1939年型/40年型、それぞれの砲塔に増加装甲をつけたものを、「KV−1B
1940年/41年型」として紹介しています。
確かにドイツ軍での分類なら、それでもOKなんでしょうが…。
つまり何が言いたいかというと、「KV−1s」と形式分類されるのは、「KV−1
1940年型」に、増加装甲をボルト止めしたタイプの事なので、中身が重要なんです。
ついでに言うのであれば、車体側面にも増加装甲をボルト止めしたタイプは、後期に生産されたタイプになります。
余談ですが、タミヤ製も同じく1940年型エクラナミで、「KV−2」の金型を流用しています。
話しを元に戻しますが、「えっ、KVって、こんなにバリエーションがあったの?」、と驚かせるくらい多くの製品を出しているトランペッターが、2006年2月に出した製品で、当時の価格は2,520円でした。
もともとKVと言えば、タミヤの「KV−1S」「KV−2」、それに限定生産で後から加わった「KV−1B」、この3アイテムくらいしかありませんでした。
タミヤの製品も古いながらも、基本的に良好なキットなのですが、モータライズの名残からくる欠点がありました。
それに対しての新金型で、続々とKVのバリエーション・キットを投入した訳ですから、KV市場はトランペッターの独壇場ですよ! ただ、日本国内にどの程度KVの需要かあって、どの程度の市場規模かは、分りませんが…。
流石に新金型でのキットだけに、これと言う修整点もないのですが、強いて言えばフェンダーがやや下がり気味なので、これを修整してやるのと、エンジングリルを開口、メッシュに置き換える、と言った辺りが定番です。
KV−1B 1/35 タミヤ
製作・King of MIZONOKUCHI
正確な記録は残っていませんが、おそらく90年代後半だと思います。流石に保管しておく場所にも限りがありますので、2015年の年末に廃棄しましたが、まだ未組立のキットが一つ、残っているんですよね…。
古い模型誌には、これをベースに、KV−11940年型の製作記事もありますが、何れにしましてもトランペッターの製品が出た後となっては、不良債権みたいな存在です。