第肆回 共同開催コンペ 「風流」
風部門

 花鳥風月の中で「風」に因んだ部門です。単純に風の文字が入らなくても、風が絡む事象も含まれるので、選択肢は意外と広くなります。

 スケールモデルでAFVならば、ドイツ軍の対空車両やシュトゥルムティーガー。飛行機ならばストレートなところでは四式戦闘機・疾風や十七試艦上戦闘機・烈風ですが、ラファールやトーネードなども含まれます。艦船ならば駆逐艦に「雪風」「島風」をはじめ、かなりの数があります。また、気付きにくいかも知れませんが、「セフィーロ(日産)」は、そよ風の意味です。
 上記のようにAFV、飛行機、艦船、カーモデルと、スケールモデルのほぼ全ジャンルでエントリー可能であり、「花鳥風月」四部門の中では、最も楽と言えると思います。え〜、ちなみに、この部門の定番っぽい「烈風」ですが、折角、完成しているのに詭計堂(KaZ)氏からは、残念ながら提出がありませんでした。待っていたんですけどねぇ…。

 キャラ物の場合ですと、ストレートに「風」となると「銀河烈風バクシンガー」を思い出しますが、そもそもキットがありましたっけ? 主題歌の中で「疾風のようにザブングル」と連呼していますが、残念ながら「戦闘メカ・ザブングル」ではレギュレーションを通りません…。
 ただ、「象徴的で〜」を上手く使えば、「超電磁ロボ・コンバトラーV」や「闘将ダイモス」など、風を含む必殺技を使うヤツは居ますが、やはり苦しいですね。
 フィギュアの場合ですと、「花」に比べると、急に数が減ります。安直なところでは「烈火の炎」の風子でしょうか? 

 駆逐艦が「0」と言うのは、やはり定番すぎて、避けたのでしょうか? 「烈風」ではなく、「強風」が2機並んだのは、意外でした。

 

強風 

1/72 ハセガワ
制作・King of MIZONOKUCHI 

 今年(12年)のコンペテーマである「風」部門を考えた時、「多分、ドイツ軍の対空戦車は、絶対に誰かやるだろうから」と思い、候補から外す事にしました。無難に駆逐艦に走っても良かったのですが、コンペでなければ絶対に作らないアイテムと言う事で、「強風」にしました。

 個人的な美観から言えば「紫電や紫電改は、日本軍機とは思えないくらい、不細工」だと思っています。「紫電改」が、米軍機と間違われて、友軍機から誤射されましたが、横から見たら米軍機なみに寸胴で醜いです。
そんな訳で「紫電」や「紫電改」は一生作らないと思いますが、「強風」はと言えば、下にフロートがあるおかげで、バランスも取れて、そこそこ見られる機体だと思っています。

 また、日本海軍最速の戦闘機として知られる「紫電改」、おそらくその名前からして「紫電」もあったのだろうと素人でも想像は付きますが、その母体になった「強風」はなかなかにマイナーで、この辺りも自分の「二流・マイナー好き」な琴線に触れます。

 あと、日本機の定番である「ノルナ」だけではなく、「強風」には、「サワルナ」もあります。ここも、ポイント!

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 強風

1/48 タミヤ 強風11型
制作・皇帝

  

 

 数年前の静岡で半額にて購入したもので2ヶ月ほど ほっとかれる時期もありましたがなんとか完成までこぎつけました。 特に手を入れた箇所はなくストレートです。

セルジオ越中のクール解説 

 個人的に、皇帝氏ならば、ドイツ軍の対空戦車でエントリーしてくるであろう、と予想していましたが、意外なアイテム選択に驚かされました。

 で、同じ「強風」が並んだので見比べてみると、同じ機体ですから、大筋では同じなのは当り前ですが、細かな点ではキットと言うより、メーカーの違いに気付きます。目立つ所では主翼の上反角です。ハセガワの「強風」は水平に近いくらい浅く、タミヤのキットはかなりキツくなっています。
 
どちらが正しいのか、或いはどちらも違うのか、「強風」の正確な図面が無いので分かりませんが、同じアイテムでも、違うメーカーのキットが並ぶと、比べる楽しみがあります。

 さて、話しを戻しますが、作りその物はオーソドックスです。これはこれで良いのですが、皇帝氏らしさを出せるアイテムで、コンペテーマに合致する航空機を選ぶなら、Me−262(シュツルムフォーゲル/みずなぎどり・ シュヴァルベ/燕)と言う選択でも良かった、と言うか見てみたかったですね。 

 これは単にドイツ繋がりと言う安直な発想ではありません。確かに皇帝氏のメインフィールドは、やはりAFVで、ドイツ軍関係のアイテムが多いのは事実です。そのドイツ軍アイテムを作るうえで、避けては通れないのが、三色迷彩です。
 ここで皇帝氏の見せる塗装術は、実に見事で、それを生かせる、発揮できるアイテムとして、Me−262を出した訳です。航空機の中でも、ドイツ軍の迷彩は難しい部類に入ります。

 なにしろフリーハンドでの一発勝負は、どんなに経験を積んでいても、正直、バクチです。細吹きするには、薄めに希釈した塗料を、弱めたエアー圧で、近めの距離で吹きます。言葉で書けば極めて簡単ですが、やった事がある人なら、その難しさを実感していると思います。分かっている事と、出来る事は、違います。 

 まぁ、コンペテーマに合致するのがMe−262と言うだけで、Bf−109やFw−190など、皇帝氏の技量が発揮できる迷彩ならば、何でも良いのですが…。また、別にドイツ機でなくとも、三式戦闘機「飛燕」なんかも、やはり迷彩の難しさ、エアブラシのテクを生かせる、と言う点では同様に、皇帝氏にチョイスして欲しかったアイテムと言えます。

 もっとも日頃やっているから、それ以外ではサラっと流す、或いは違う事をやってみたい、と言うのも事実です。
 あまり深く考えずストレスなく完成させるのも、楽しく模型をするコツです。
やはりやっていて楽しいのが一番です。

 

 

晴嵐

1/72 イタレリ・タミヤ
制作・King of MIZONOKUCHI

 愛知(現在の愛知機械工業)と言うと、個人的には軌陸車で馴染みなので、かなり親近感があります。今は、日産の子会社となっていますが、昔は九九艦爆や彗星(設計は空技廠で、製造のみ)、個人的にイチオシの「流星」、を作った航空機メーカーでした。

 もともと「風」部門は「強風」でのエントリーを予定していましたが、キット調達の関係から、とりあえず代替アイテムとして「晴嵐」を制作しました。

 特殊攻撃機と言っても体当たりする訳ではなく、攻撃後はちゃんと回収してもらえますが、発進時に大きな危険が伴い、その意味では特殊攻撃機っぽいです。

 「晴嵐」の場合、この機体がその物よりかも、イ−400型潜水艦とワンセットと言った感じです。
 主翼を折りたたんで、垂直尾翼を倒し、フロートを外すと、イ−400型潜水艦の円筒形の格納庫に収納可能(これが主目的なので当り前ですが)。

 しかも、最初の一機は約3分で出撃可能と、ドラケンなどにも負けないギミックを持っています。こう言う、他にないギミックを持った機体って、好きですね。

 この「晴嵐」ですが、見掛けによらず、かなり高額な攻撃機です。そう言えば軌陸車も1台2千万円はするので、昔から高額少数をモットーとするメーカーなのでしょうか?

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ユーロファイター タイフーン 自衛隊仕様?

1/72 イタレリ・タミヤ
制作・水凪海 

 

 

 ご存知のとおり、2012年はF-X選定が話題になった年でした。個人的にはいつ導入できるか不明瞭かつ、本当に高性能なのかどうも怪しいF-35よりも、今回はユーロファイターの方がよいのではないかと思っておりました。F-4と比較すれば十分な性能に加えて改造OKとか、もうね。で、いろいろ魔改造して経験値つんだところで国産機、とかそういうシナリオが・・・。

 F-35はF-15の代替でもいいような気もするんだけどなぁ。・・・ハナシが逸れた。
 まぁ、妥当にF-35に決まってしまった訳ですが、それならせめて遊んでみようということで作ってみました。 キットもアマゾン価格で、700円くらいだったので、作り倒す気持ちで。震電の塗装でつかったカラーをほぼそのまま使い、自衛隊っぽくないという理由で武装は装備してません。デカールは以前F-104の痛機を作ったときに使わなかったデカールを使用しました。 なので、ちょっと日の丸がアンバランスにでかいです・・・。
 その道の方々から見れば噴飯ものでしょうが、お遊びということでご容赦ください。

 しかし、なかなかカッコよく、気軽に作った割には気に入ってます。完成したころに、ハセガワから1/72で出ることになってしまいましたが・・・。
 まぁ、価格が三倍くらい違うのでとても遊びでは買えませんw ちょっと欲しいけど。ただ、価格が安いがゆえに、接着面が盛大にズレたり、震電IIやF-16では感じなかった工作上の手間もなかったわけではないですが、ストレスになるほどでもなく、700円で一ヶ月遊べたと思えば十分ではないでしょうか。
 なお、パイロットフィギュアは付いてませんでしたが、F-16にいっぱい付いてきてたので、その中から拝借。本当は特殊なヘルメットなんで、流用しちゃアレなんですけどね・・・。まぁソレっぽくなってれば・・・。

 あ、あと撮影中にピトー管をどっかにすっ飛ばしてしまいまして、写ってません。 見つからない・・・。でも、日の丸似合うよねぇ。やっぱりちょっとだけ試しに買ってみない?
 なお、風流コンペに出すつもりでつくった訳ではないのですが、名前からして該当するだろうということでエントリー。

 

セルジオ越中のズバリ解説 

 今日では、(需要の有無すら謎ですが)航空自衛隊仕様のMig−23が発売されるご時世ですから、少なくても導入の候補にまでは上がったユーロファイターに日の丸を付けても、目くじらを立てる人も居ないと思いますが…。と言うより、エッシーが健在だったら、先走って、本当に出していた気がします。

 イタレリ・タミヤは、やはり価格の安さが魅力でしょう。やはり冗談に出せる金額と言うものは、そう多くはありませんから、千円と言うラインは重要ですね。余談ですが、ハセガワが後発にも関わらず、よく同アイテムを出したなと思います。

 さて、作品の方ですがF−104Jからデカールを流用したのは、正解だと思います。日本機たるもの「ノルナ」「フムナ」「危険」など、表記がすべて日本語でないと、それらしくありません。これは余談かつ個人的主観ですが、レシプロ機以外、マルヨンほど日の丸が似合う飛行機も、そうそうないと思っています。

 塗装も含めて、全体的な雰囲気は良く出ており、IFな設定でありながらも、違和感なく纏まっていると思います。

 

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