第4回共同開催コンペ「風流」

  1月16日 発表 

「風流(ふうりゅう)」 @先人・前人の遺風。A「イ」みやびなこと。上品で美しいこと。「ロ」意匠を凝らすこと。「ハ」風変わり。「角川国語辞典」より 

 

○レギュレーション
 上記が言葉としての「風流」の意味になりますが、現在使われている「ふうりゅう」と、中世(安土桃山時代)に言われた「ふりゅう」とでは、やや言葉の意味や中味が異なります。(A「ロ」が、ふりゅうの意味には近いです)
 それはともかくとして、国語的に意味を追及するのが主旨ではありませんので、下記のようにレギュレーションを定めます。

 

「風流」部門

 風流の言葉の意味その物で、先人の遺した歴史的な建築物など、それ自体が風流を感じさせるアイテム。童友社やフジミの城、仏閣などが代表的なアイテムですが、河合商会の風物詩シリーズ、アオシマの時代画報シリーズなど、そう言った物も、この範疇とします。
 また、建築物が無くても、庭園のジオラマなど、情景その物が風流を感じさせるなら、このレギュレーションを通るものとします。
 ただ、先人が遺した物と言いましても、流石に九七式中戦車や三笠などは、除外します。建築物であっても比較的歴史の浅い物も、この範疇からは外します。

 上記の事項には当てはまらないものの、全体として風流が伝わるものも、レギュレーションを通るものとします。具体的には、茶道、華道など、ある程度日本の伝統文化として認知されてる行為が分かる、と言うものです。多分、フィギュアになると思いますが、華道をしている、和歌を詠んでいるところなど、行為その物に風流が感じられるなら、レギュレーションを通り、この部門に入るものとします。
 但し、あくまで日本の伝統文化のみが対象になりますので、メイドの格好をさせて、英国式のアフタヌーンティーと言っても、この範疇には入りません。

 

「花鳥風月」部門 (共通)

 文字通り「花」「鳥」「風」「月」に関係している事が、レギュレーションとなります。

 基本的に、スケール物の場合は機体の名前や愛称に「花鳥風月」の何れかに因んでいれば、レギュレーションを通る事とします。キャラ物の場合は、その機体、搭乗しているパイロット、そのどちらかに「花鳥風月」の因みがあれば、これに当てはまるとします。フィギュア(キャラクター)の場合も、ほぼ同様で、キャラクターの名前に上記の文字が含まれている場合は、このレギュレーションが適用されます。(例・桜花、橘花、真宮寺さくら(花部門)。鳥海、F-15 イーグル、(鳥部門)。疾風、オストヴィンド(風部門)。月光、秋月、(月部門)、など。)

 仔細は、下記を参考の上、不明な点はメール、又は掲示板にて、お訊ね下さい。 

 

☆上記事項に入らないものの、レギュレーションを通るケース☆ 

・状況に繋がりがある場合
 名称なども含めて直接、間接的に一切絡みは無いものの、状況に関連がある場合です。例えば、T−2練習機、ブルーインパルス、どちらも「花鳥風月」には関係ありませんが、飛行演目の中には、これに関係した名称が付けられているものもあります。こう言ったケースでは、T−2単品では通りませんが、1チーム分の編成に足る機数と飛んでいる状況が分かれば、レギュレーションを通過するものとします。
 但し、散華などは、状況から言葉としての関連まで、2クッション以上になってしまうので、含まれないものとします。 

・象徴的であり、関連性が明らかな場合
 直接、間接に絡みはないものの、明らかに関連性が認められるケースとして、「ザンボット3」を例に出します。ザンボット3の場合、ロボットの名前、搭乗しているパイロット3名、全てに絡みはありませんが、必殺技は「ムーンアタック」です。また、頭部には三日月を付けているので、「月」が関係している事は、誰の目にも明らかです。これくらい明確な関連が見いだせるアイテムつきましては、各部門に通るものとします。
 また、「闘将ダイモス」の烈風正拳突き、「超電磁ロボ・コンバトラーV」の超電磁竜巻など、代表的或いは象徴的な技に、「花鳥風月」が関連している場合は、その技を行っている事が明確に分かれば、レギュレーションをクリアーするものと見做します。因みに「コンバトラーV」の場合、超電磁竜巻であって、超電磁スピンではありません、こう言った連続技には注意して下さい。

・連想が明らかで、誤解が起らないであろう場合
 直接的に「花鳥風月」は入っていないものの、明らかにそれを連想させる言葉が含まれており、なおかつ他の言葉を連想し難い場合。
 「花」部門ならば、直接「花」に関係した言葉は入っていなくても、咲く、散るなど、明らかに花を指している、関連している言葉が含まれている場合、或いは蕾など、花の部位を指す言葉などは、元になった言葉とほぼ同じと見做します。
 「鳥」部門では、プテラノドンなど翼竜は鳥類の祖先ではありませんが、その形状からしても、普通に考えれば鳥を連想しますし、それに近いを印象を受けます。こう言ったケースでは、このレギュレーションを適用して、その種のアイテムは各部門を通過するものとします。
 「風」部門の場合、直接的に風と言う感じだけではなく、嵐や颪など、漢字の一部分に風が含まれていたり、春一番や吹雪など風を伴う現象など、風を明確に連想する言葉まで、この範疇に含めます。
 まあ、作る人が居るかは別として、「銀河英雄伝説」の同盟首都ハイネセンを守る防衛衛星「アルテミスの首飾り」。アルテミスが「月の女神」である事は広く知られており、裁判で言うなら立証を必要としない周知の事実です。このように明確に月を連想させる言葉が入っているケースは、この事項に含まれます。
 。 

・タイトルや設定などに明確な繋がりが見出せるもの
 「花の魔法使いマリーベル」のマリーベル・フォン・デカッセ、「花の子ルンルン」のルンルン・フラワーなど、タイトルの一部に語句が入っており、設定的にも関連が十分に認められるケースでは、OKとします。(但し、関連があるキャラのみで、他のキャラは後述の「大きな括りは、認めない」が適用されます)
 「グランプリの鷹」「まもって守護月天!」の場合は、この事項には引っ掛りませんが、主人公の名前に鷹や月が入っているので、別の事項が適用されます。 

・通称などに、語句が明確に入っており、それが良く知られているもの
 「機甲戦記ドラグナー」のマイヨ・プラート、「ギガノスの蒼き鷹」→鳥、と言ったようなケースが、これに当たります。この場合、通常のキャラ物と同じように、キャラ本人だけではなく、そのキャラが搭乗したメカまでも、含まれます。他にも「銀河英雄伝説」のウォルフガンク・ミッタマスヤー、「疾風ウォルフ」も、このケースに当たりますので、搭乗している旗艦であるベイオウルフまでが、その範疇に入ります。ただ、単に帝国軍の戦艦などを作っても、「ミッターマイヤー艦隊の戦艦です」と言っても、客観的には分かりません。「黒色槍騎兵」のように、明らかにその艦隊と分かれば別ですが、量産型の場合は、明確な根拠が無い場合は、この範疇からは外れるものとします。
 また、個人名でなくても「機動戦士Vガンダム」のシュラク隊のように、チーム名でも構いません。但し、明確にその仕様と分かる事が必要で、尚且つ、ある程度知られている事が、前提となります。

・比率が圧倒的に大きい場合
 痛車など、複数の要因がある場合、その比率や印象が高いケースです。例えば、その車種や機種の名前に関連語句が含まれていなくても、その語句を含むキャラでラッピングした場合は、このケースに当てはまるとして、レギュレーションを通過するものとします。但し、通常のキャラ物よりかも多少は厳しく、直接的で分かり易いラッピングに限る、とします。
 また、面積的な比率はともかくとして、印象が圧倒的であったり、象徴的なケースも、OKとします。例えば「遠山の金さん」の桜吹雪は、面積で言えば肩口から上腕にかけてですが、インパクトと言う点では圧倒的ですし、象徴的でもあります。 

 

 

部分的に認められる特殊なケース☆

 よくキャラクターの名字で、旧暦の月名が使われている場合があります。水無月、神無月などがそうですが、この場合は、明確に月が入っている場合は、名前の一部に月が入っていると見做して、OKとします。一方で弥生や師走など、月名ではあるが、月が入っていないものは、除外されます。
 他にも植物ではあるが、花として見做すか、否かについては、最初に何を連想するかを基準とします。但し、桃のように一般的には果物を想像するものの、観賞用の花としても認知度が高いものについては、花として採っても構いません。 

 

 

☆上記事項に入いるものの、レギュレーションを通らないケース☆ 

・関連は明らかでも、連想が難しい場合
 かなり特殊なケースではありますが、今日の学説では、獣脚類は鳥類の祖先とされています。だからと言って、獣脚類の恐竜を見て、鳥を想像する人は、おそらく居ないと思います。このように「そりゃあ、言われてみれば、そうだけど…」、と言った感じのアイテムです。他にも、アポロが月から持ち帰った石、将来的に○○になるであろう謎の原種植物など、何となく納得し辛い、釈然としないなど、限りなく黒に近い灰色判定のものです。

・大きな括りは、認めない
 「美少女戦士セーラームーン」「サクラ大戦」など、タイトルに「花鳥風月」に関連した言葉が入っていますが、単にその作品に登場したと言うだけでは、レギュレーションの範囲には入らないものとします。「美少女戦士セーラームーン」を例とするなら、直接的に「月」に関係しており、名前にも月が入っている月野うさぎ、セーラームーン、ちびムーンなど。間接的に月を連想させるアルテミス(=月の女神)。ここまでは「月」の範疇に入りますが、それ以外は除外されます。
 前述の「通称などに明確に入っており、それが良く知られているもの」との線引きがやや難しいですが、部隊名などに関連語句が入っているが、あまり知られていない場合は、このケースに引っ掛るとします。 

・関連性が間接的で、分かり難いケース 
 間接的過ぎるうえに、他の人が見て分かり難いケースは、除外します。スケール物で言うのであれば、設計者の名前に「鳥」に関係した字が入っている、名称の字の部首など部分的に関連があるなど、直接的な繋がりが分かり難かったり、認知度が低すぎる場合。
 キャラ物フィギュア部門で言うのであれば、伊勢七緒(BLEACH)のフィギュアを作って、「七番隊の隊花は極楽鳥花だ、鳥も、花も、両方入っている」と言っても、ダメです。どうしても作りたければ、雛森桃や松本乱菊のように、名前でレギュレーションを通せるキャラにしましょう。

・比率があまりにも小さい場合
 帝國海軍の軍艦、陸上自衛隊の車両など、それぞれ菊や桜が付いていますし、それ自体は有名ではありますが、面積的にあまりに小さいので、流石にそれ単独では通過は認め辛いです。他にも国籍や部隊章などでも、花鳥風月に関連したものもありますが、やはり面積的に小さいので、同様にこの事項の規制される範囲内とします。
 具体的には、痛車などのように第一印象でそれが目に入るか、否かと言う辺りが線引きのラインになります。

・連想する事は出来るが、明確ではない場合
 語句としては「花鳥風月」を連想させるものの、完全ではなく、他のものも関係してしまう場合。例えば、月光ならば間近いなく月の光ですが、単に光だけですと、確かに月も関係しますが、他の光る物も想像してしまいます。同様に飛や翔と言う字だけでは、100%、鳥とは言い難いです。このように連想する事は出来るものの、それ以外の物も連想できたり、関連が断定できないケースは、この事項に引っ掛るとします。
 他にも、「蒼龍」「飛龍」のように、鳥に関係しておらず、単に飛ぶ事に関連している、と言うだけでは、やはりレギュレーションの通過は、認められません。 

・公序良俗に反するもの
 これは説明するまでもありませんが、よく比喩表現で用いられる、アレです。ただ、それだけを理由に棄却はしませんが、発表のさいには修正を加える事は、ご了承下さい。

 

☆究極、オールOK! すべてを無視してレギュレーションを通るケース☆

 今回のボーナス企画にして、最も通し難いレギュレーションです。製作したアイテムを折込むか、句の頭にすえて、詠んだ和歌を付ける。勿論、和歌ですから季語は必須ですし、五・七・五・七・七の形式も遵守です。ただ、アイテムが横文字や片仮名の場合は、和訳など、明確に関連があれば、それでも構いません。(例・ファントム、ミラージュ→幻影、蜃気楼)
 まぁ、MGの誌面を更に高尚にしたと言うか、そんな感じです。正直、高校時代に国語の時間で、強制的に和歌を作らされたくらいしか経験が無いので、個人的にはかなり難しいと思っていますが、それはそれ、文系の大学の出身者だけに、誰か、このレギュレーションで挑んで欲しいとは、思っています。

 

 

 以上が、今年のコンペのレギュレーションになります。はっきり言って、AFVモデラーにとっては、アイテム選択からしても、かなり厳しいと思います。だからこそ趣向を凝らす、或いは新たなジャンルに挑戦する、良い機会になると思います。スケール物という括りで見るのであれば、鳥と月には恵まれていますので、飛行機と艦船にチャレンジしてみては、如何でしょうか?

 キャラ物と言うか、フィギュアになりますが、このジャンルで圧倒的に楽なのは、花です。花の名前が付いているキャラクターは沢山いますから、その中から、どう選ぶか? と言うのも、ポイントだと思います。
 一方で、純粋にメカ物としてのキャラ物の場合は、結構、頭を使うと思います。ただ、捜せば意外とあると思いますので、上手く見付けて下さい。上記のレギュレーションには、なるべく作らなさそうで、尚且つ有名なアイテムを例に出しておきました。

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