11年共同開催コンペ 「脇役」

水凪海氏

 

「38t」 1/35 イタレリ

 

 基本塗装までして放置してあったのを、汚しとフィギュア作成して仕上げました。

 特に手を加えたところはありませんが、全て筆塗りで仕上げました。

 本来の軽戦車としての想定以上に活躍してしまいましたが、脇役っぽいということで。

 

 

 

 

 

 「阿武隈」1/700 田宮

 

 メインとして、フジミの赤城を精魂込めて作成し、玄関に飾っていたのですが単体ではどうも寂しい。

 ここはひとつ駆逐艦か軽巡でも並べようと購入したキット。購入直後に脇役コンペが決定したため、今回はコレがメイン。

 もともと赤城を飾るために田宮の海面ベースとウレタンフォームを接着。断面に100均の床補修テープを貼ってそれっぽいベースを作成し、普段はそこに並べているのですが、今回は撮影のため、海面ベースを多少継ぎ足してあります。
 実は、フジミの加賀も作って並べる予定のため、阿武隈は海面に接着していません。 赤城は接着してあり、ジェルメディウムによる波頭表現もしてありますが、 阿武隈はそれがないため多少寂しい感じもします。

なお、撮影に当たっては、赤城はあくまで背景。阿武隈がこの作品の主体であることが伝わるよう、焦点距離に留意し細心の注意を払って撮影しました。

 赤城は真珠湾当時を再現しているので、阿武隈はまさに露払い。 これぞ脇役というところでしょうか。

 

 

 

「ひゅうが」1/700 青島

 

 えー、コレについては言い訳もございません。ベース付き条項を利用して出品しているだけで、アイテム自体はどう見ても主役です。本当にありがとうございました。

 

キットは手すり以外のエッチングパーツ付きだったのですが、ほとんど使用しませんでした。アンテナは真鍮線の方が見栄えがいいし。唯一甲板上のヘリのローターに使用。

 購入したのは去年の年末だったのですが、3月の震災での活躍に触発されて一気に作成。

 ベースは赤城と違い、市販の長方形デコパージュに彫刻刀で波のうねりを彫り込み、その上にアルミホイルを張り込んで細かい波を表現。メタルプライマーを吹きその上から塗装。 波頭はジェルメディウムによる表現。コレはすばらしい波が簡単にできますね。手間はかかりますが、海面の表現としてはこちらの方が好みです。

 

 

「M3」1/35 田宮 

 

 同じく、基本塗装で放置してあったのを、汚しとフィギュアで仕上げ。

 このくらいの軽戦車は手軽に作れて楽しかったですね。

 ちなみに、とてもベースと言えるほどのものではないですが、100均の写真立てに鉄道模型用のシーナリー敷いて展示台を作成。
 情景作れるほどスペースがなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「第11独立捜索剣虎兵大隊」1/35

 これは、レギュレーションに掲載の「歩兵」条項を最大限に拡大解釈したものです。

 『皇国の守護者』より、剣虎兵です。物語序盤の北領での撤退戦をイメージ。天狼会戦で主力である北領鎮台が敗走。追撃する敵に対し、主力が撤退する間、時間稼ぎとして投入される捜索剣虎兵大隊が元ネタですので、まぁ、役回りとしては脇役といえないこともない。

 しかし、主人公が率いる部隊でもあるという微妙な役回り。さらに、ベースも微妙で、レギュレーションの一辺10pは到底満たしませんし…。数年前(10年近く前?)にヴィネット作品として作るつもりで、海洋堂のサーベルタイガーを購入。切った貼ったでポーズ変更。兵の方はどこのだか忘れましたが、南北戦争もののキットから流用。マントはポリパテで自作。雪の表現は古典的な重曹です。

 まぁ、自分で言ってて無理があるような気もしますので、参考出品との扱いでも結構です。 個人的には数年越しの作品が完成しただけで満足です。

 

セルジオ越中のガッツ解説 

 毎年、手堅く、高レベルの作品を出す、水凪海氏だけに、今年のテーマをどう捉えるか、どうアプローチしてくるか? 直球勝負で来るのか、変化球で搦め手から挑むのか、楽しみにしていた人も多かっただろう。

 「第11独立捜索剣虎兵大隊」は、範疇としてはキャラ物に入るだろうが、作風は完全にスケール・モデルなので、エントリーした作品は、すべてスケールモデルと捉えて良いと思う。

 軽戦車や艦船など、オーソドックスなラインを抑えつつ、レギュレーションやサブテーマを上手く使い、全球直球勝負と言った感じの作品である。
 こうした直球勝負のアイテムだけに、やはり裏打ちとして、ベースとなる技術力が何より求められる。奇を衒わないだけに、ごまかしも効かない。

 ただ、個人的には、水凪海氏ならではの捻りの効いたキャラ物も、見てみたかった気もするが、それは欲張りと言うものだろう。

 小さい割には、やたらと手間の掛かるフィギュア(歩兵)を、戦車の搭乗員も含めて3体と言うのは、実際にエントリーした数以上に、価値があると思います。

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