装甲騎兵ボトムズ('83.4〜'84.3)
かなりセンセーショナルなTVアニメであった。お世辞にも格好良いとは言えずヒーロー性が皆無の主役メカ、無口で全く自己主張しない主人公、丸坊主のオールヌードで登場するヒロイン、とにかく今までに無いロボット物アニメが始まった。
ヒーロー性は皆無ではあるが、リアリティーに溢れ説得力あるメカ、主人公が次々と搭乗機を変える、市街地、湿地帯の密林、宇宙など、次々と舞台を変えていく展開、同監督による「太陽の牙ダグラム」が良い形で進化したと言えるだろう。
ロボットアニメが乱立した時期で、キー局のテレビ東京が全国ネットではない不利さにも関わらず、当時のアニメ誌の扱いもまずまずで、トータルで見たら恵まれた作品であったと言える。
本放送終了後も、小説、OVAなどが作られ、25年以上経過した今になっても「装甲騎兵ボトムズ・幻影篇」が製作されるなど、その息の長さには驚かされる。
ATH-14-ST スタンディングトータス
制作・松本の幹事長
「装甲騎兵ボトムズ」と言うと、80年代後半〜90年代初頭にかけて、「F・S・S」と共にキャラ物空白期に、HJ誌の誌面を飾っていた、というイメージがありますね。
リアルタイムの時、ウチの地元(静岡県東部)だと、テレビ東京のカバー率は低くて、観ている人間もクラスで3〜4人程度で、おかげでプラモデルは、買うのに全く苦労しませんでした。
ただ、中学生の頃でしたから、自由に使える金額にも限りがありますし、欲しい立体物も多かったので、「装甲騎兵ボトムズ」に関しては、カバヤの「ボトムズ・ガム」で我慢しました。
ただ、この「ボトムズ・ガム」ですが、結構、出来が良いんですよ! あの価格で、この出来、納得。って感じですし、コンプリートしても、大した出費になりませんから。しかも、最後に登場するラビドリードックまで出してくれるという、親切さ。
あと、「装甲騎兵ボトムズ」で、忘れられないと言うか、個人的に欠かせない事ですけど、当時のHJ誌ですと、ATをAFVライクな作風に仕上げるのが、主流でした。
そこで「ATを、ちゃんと作るには、先ずAFVを知らなくては」と思い、留学する感覚で、キャラ物からAFVに転向したのですが…。結局、留学したまま、帰化して定住、帰ってこなくなっちゃいましたけど…。
手元に残していたプラモや資料集も、ヤフオクで売ってしまい、今となっては「装甲騎兵ボトムズ」で手元に残っているのは、「ボトムズ・ガム」のラビドリードッグとβのマスターテープだけです。
(解説・セルジオ越中)