L6/40 軽戦車

 イタレリ 1/35 L6/40

 資料も多くないのであっさりと素組みです。 塗装はマホガニーで下吹き後パンツァーカラーのグリュンブラウンで基本色を塗ってそこからはウェザリングで仕上げました。フィギュアも塗ってましたが間に合いませんでした。

 

○セルジオ越中の辛口解説
 写真で見る分には1/35、1/48と言うスケールの差は無いが、アイテムの形状として、AB41では気にならない点が、どうしても見えてしまう。前面や砲塔など直線的な平面が多く、単色で普通に塗ってしまうと、どうしても面が退屈になってしまう。これは、単色の戦車を塗る上で永遠のテーマとも言える事で、これを、どう上手く見せるか、モデラーの技量が判るバロメーターでもある。
 これについては皇帝氏に限らず、誰に対しても、昔から言っている。最も簡単な解決手段としては、キャラ物の技法であるシャドー吹きをする事だが、それより下地吹きをしている訳だから、それを生かす方向で、塗料の希釈率を高くして下地色が透ける程度に薄く、何回かに分けて塗装してやり、意図的なムラや濃淡をつける方が良い。
 この技術をマスター出来れば、塗装のグレードが一段上がる事は確実。車体側面など、部分的に使えているのは見受けられるが、全体に徹底させて欲しかった。

 ここから先は、色使いなどの「好み」と言う点も含まれるので、参考程度に読んで下さい。パンツァーカラーのグリュンブラウンは使った事が無いし、皇帝氏が最終的に、どう言う完成品をイメージしていたのか解らないから、あくまで私見です。

 下地色にマホガニーと言うのは、自分もこの手の色の時は、使います。実際、マチルダUも、下地色は同じです。マホガニーは色として暗いので、暗→明と言うステップで考えると下限が下がるので、幅が出ます。幅が出ると言う事は、色の奥行き、深みに繋がります。
 しかし、逆を言うと下地が暗い分だけ、上に来る色の発色は悪くなります。奥行き、深みと言うのは、重ねるから得られるもので、マホガニーの下地から、次にいきなり基本色のグリュンブラウン
では、むしろマイナス面の方が大きいと思います。マホガニーとグリュンブラウンの間にワンステップ、ダークアースなどを挟むと、全体に色の奥行きが出るし、上にくる基本色の発色も良いです。
 また、下地→基本色と2ステップで塗るなら、下地をダークアースや艦底色など、マホガニーより明るい色にした方が、良かったでしょう。

 色がまったく同じと言う訳ではありませんが、掲示板の方に投稿した9月21日分のマチルダU、あの状態はエアーブラシだけのもので、携帯電話のカメラなので写りはそこそこですが、参考にはなると思います。色で言うと下地から順にマホガニー→ダークアース→基本色(暗)→基本色(明)と4色ですが、実際は薄く重ね吹きしているので、色調の段階はもっと多くなります。

 塗装する時は「下地からドライブラシのハイトップまで、トータルのパッケージとして考える」と、以前に書いた事がありますが、今一度、その点を考えて塗装をして欲しいです。
 「下地を何にして、基本色は〜」と加算で塗装を考えるより、完成状態をイメージして、それにするには色をどの様に重ねるか、減算で考えた方が頭の中でシミュレートし易いです。 

 松木安太郎のほめちぎり解説みたく「いいですねぇ〜」的な事を書いた方が、無難で、楽だけど、せっかくの機会と言う事もあるので、色々と書いておきました。

 

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